溶融石英 vs. 溶融シリカ：ガラス選択の主な違い

一見すると、「石英ガラス」という言葉は単純な用語のように思えるかもしれませんが、製品間の価格差は非常に大きく、場合によっては数百パーセントも変動することがあります。その秘密は、2つの異なるタイプ、すなわち溶融石英と溶融シリカガラスを理解することにあります。

溶融石英は、天然の石英結晶を約2000℃（3632°F）の温度で溶融することによって作られます。このプロセスは比較的単純で費用対効果が高いですが、得られる材料には天然結晶からの不純物が含まれており、その純度を制限しています。主な特徴は次のとおりです。

• 純度: 微量の金属、水酸基、その他の不純物を含んでいます。
• 光学性能: 特にUV波長（約220 nm以下）での光透過率が低いです。
• 気泡/介在物: 目に見える欠陥が一般的です。
• コスト: 溶融シリカよりも大幅に安価です。

溶融シリカは、超高純度の二酸化ケイ素粉末から、より低い温度（約1700℃/3092°F）で合成されます。この細心の注意を払ったプロセスにより、卓越した純度と光学的な透明性が得られます。

• 純度: 99.999% SiO₂で、不純物は最小限（多くの場合、<1 ppm）です。
• 光学性能: 180 nmまで90%以上のUV透過率を維持します。
• 気泡/介在物: ほぼ欠陥のない構造です。
• コスト: 複雑な製造のため、プレミアム価格が設定されています。

溶融石英は以下に最適です:

• 工業用ビューポート（炉、反応器）
• 消毒用のUVランプハウジング
• 断熱部品

溶融シリカは以下に不可欠です:

• 精密光学系（レンズ、プリズム、ミラー）
• 半導体製造装置
• 高度な科学機器

耐熱性: どちらも1000℃（1832°F）での連続運転に耐え、優れた耐熱衝撃性を備えています。

耐薬品性: ほぼ同一で、フッ酸と熱リン酸を除くほとんどの酸に耐性があります。

UV透過率: 溶融シリカは190 nmで約90%を透過するのに対し、溶融石英は同じ波長で約50%です。

神話1: 「溶融シリカの方が常に優れている。」
現実: 観察窓のような重要度の低い用途では、溶融石英は低コストで十分な性能を提供します。

神話2: 「材料は化学的に異なる。」
現実: どちらもSiO₂ですが、違いは純度と微細構造にあり、基本的な化学組成ではありません。